変化を受け止め
未来を見つめて
進化し続ける
北川尚子
東海東京証券 代表取締役社長
東海東京フィナンシャル・
ホールディングス 取締役小池佑奈
東海東京フィナンシャル・
ホールディングス
人事企画部採用室
こうと決めたら諦めない。
常に「なぜ?」を考え続けてきた
小池 これまでキャリアを積み重ねてこられる中で仕事内容も関わる人もその時々で変化してきたと存じますが、変わらず大切にしていることを教えていただけますか。
北川 社員から管理職、役員へと立場が変わっていく過程で、相対する方も変わっていきます。そこで、自分自身を高めることに常に注力してきました。自分を高めずにいると、ある時点から相手と対等に会話ができないようになるからです。また、共感力も大切にしてきました。話す相手が変わるということは、相手の思いも変わりますし、相手への伝わり方も変わります。「今、この人は何を感じているのだろう」「どうすればわかってもらえるだろう」といつも考え、行動してきました。
これらは、私自身の人間性を磨く取り組みだったと言えるかもしれません。証券という商品を扱うからこそ、ご提案する私たちの人間性には安心感をもっていただいきたい。「あの人はどんな時でもきちんと対応してくれる」という人間性に基づく安定感を、お客さまに提供したいと考えてきました。これは後輩や部下にずっと伝えてきたことでもあります。
もう1つは、諦めないことです。様々なことに取り組む中で、思い通りにいかないこともたくさんありました。でもそこで諦めず、「どうすればやり遂げることができるだろう?」と打開策を考えるのです。
諦めないために心掛けているのが、「なぜ?」を問うことです。「なぜ?」を問えば、一歩踏み込んだ情報が得られることは多々あります。例えば昨日と今日で同じ内容の報告だとしても、改めて「なぜ?」と問えば昨日とは違った言葉が出てくるかもしれません。
小池さんは仕事をする上でどんなことを大切にしていますか。
小池 私はアスリート社員として入社し、競技生活を終えて今年から社業に軸足を移しました。これまでのアスリートだった時代においても、またこれからの社会人人生においても、人と人との関わりがとても重要だと感じています。ですから今は基本に立ち返り、挨拶や周りの方との接し方を日々大切にしています。「人間力の高い人」と言ってもらえることが今の目標です。
競技時代を振り返ると、北川社長がおっしゃっておられた「なぜ?」を考えることは無意識にしていた気がします。うまくいかないときに「どうしてなんだろう」と自問自答したり、アドバイスに対してはいったん受け止めつつ、「なぜ、今この人はこのアドバイスをしてくれるのだろう」と考えていました。

会社をより良い姿で
次世代に渡したい
小池 日々の取り組みや努力の中でモチベーションの拠り所となっているものをお聞かせください。
北川 働く多くの方がそうであるかと思いますが、私もモチベーションの基本は自己実現です。ただ、立場が変わってくるにつれて、社員や会社の成長、株主の満足など、大きな枠組みを踏まえた上での自己実現に変わっていると感じています。例えば今は、「会社をより良い姿にして若い世代に渡したい」という思いがモチベーションの1つです。この目標のために「なぜ?」を問い続けています。
小池さんはどうですか?
小池 私は就職活動の時期がちょうどコロナ禍の時期でした。大学卒業後にも競技を続けられるのか、そもそも就職先があるのかといった不安の中、当社に入社してアスリートとして活動することができました。そのご恩を返したいというのが私の今のモチベーションです。
北川 なるほど。私は、会社というチームの存在も大きなモチベーションにつながっています。会社組織では経営陣が方針を立て、現場のメンバーがそれを実行していきます。その過程では何層にも及ぶ情報伝達が行われますよね。情報が伝達されていく過程の中で、時に理解にずれが生じたり、温度差が生まれることも珍しくありません。ところが当社は、私たち経営陣の意図や思いがずれることなく現場へと届いていると実感しています。私たちの思いを受け止めてくれた現場のメンバーが、お客さまのために様々な活動をしている姿を目にしますし、それらの活動の成果は高い顧客満足度という目に見える数字にもはっきりと現れているからです。このように経営陣と現場メンバーが思いを共有できていることは、私にとっては非常に嬉しいことですね。

前のめりで挑み続ける姿勢は
これからも変わらない
小池 企業のあり方やビジネスの仕組みの変化など、現代社会には様々な変革が起きています。そんな中でも東海東京証券として変わらないもの、変えてはいけないものは何であるとお考えでしょうか。
北川 経営理念の中で定められた当社グループのキャッチフレーズには「強くたくましい会社」「わくわくする会社」「学び続ける会社」「誠実な会社」「仲間を大切にする会社」が掲げられています。これらは変わらないものであり、変えてはいけないものです。そしてこれら5つの要素が結集した姿として、何事にも前のめりにチャレンジしていく姿があると考えています。私自身も、富裕層向けのサービスである「オルクドール」の立ち上げに携わりました。オルクドールは今でこそ同業他社も類似のサービスを展開していますが、当時としては革新的でチャレンジングな取り組みでした。同じように「新しいことをやろう」「困難でも挑戦しよう」という姿勢は社内に浸透しています。これは今後も変わることがありません。
小池 「挑戦」は当社の大きなキーワードだと感じています。私も、競技生活から大きく環境が変わった今の生活で中で貪欲に挑戦していきたいです。


デザイン思考を備えた人材に期待。
人間力の向上にも注力を
小池 社員が主体的にキャリアを形成していく上で意識すると良いことをお教えください。また、東海東京証券としてそれをどのような形でサポートされていますか。
北川 最近、非常に重要性を感じていて、「この力を備えた社員が増えたら当社はさらに力強く成長するだろう」と考えているのが、デザイン思考です。
デザイン思考とは、ゴールを設定してそこに向かう道のりを考えたり、困難にあたったときにも「なぜ?」が突き詰められる思考のことです。例えば、ビジネスにはストーリーが肝心であると言われています。同じパーツを持っていても、繰り出す順番が変わればストーリーも変わるのです。それはつまり、順番次第でうまくいくこともあれば、うまくいかないこともあるということです。たどり着きたいゴールを考え、そこに向かってストーリーを組み立てる中で繰り出すパーツの順番を考えることがデザイン思考の一例です。そういった考え方を意識してもらいたいですね。
小池さんがおっしゃったように、アスリートの方は目標を決めて努力したり、「なぜ?」を考えることが習慣づいていると感じます。無意識のうちにデザイン思考の訓練ができているのではないでしょうか。
小池 そう言っていただけるとありがたいです。まだまだ会社のことや仕事のことについて知らないことが多いので、少しでも多くの知識を身につけることを意識しています。会社のキャッチフレーズにもあった「学び続ける」ことを、私も実践している最中です。
北川 それから、当社は人事制度が非常に充実していますよね。ジョブ型の人事制度をいち早く導入しましたし、年次や役職に応じた研修も活発に行っています。人間性の向上を目的とし、趣味の活動や社外でのチャレンジを応援する「ヒューマニティー・エンハンスメント・プログラム」もブラッシュアップを続けています。また、若手社員を海外へ派遣する取り組みも積極的に行っていますね。海外を経験した人は2回りも3回りも大きく成長して帰ってきます。経験を糧に、将来は会社の経営を支えるような人材になってくれることを大いに期待して送り出しています。
小池 私はヒューマニティー・エンハンスメント・プログラムを活用して、趣味に力を入れてみたいと思っています。そこで得た経験をお客さまと話すときなどに生かしていきたいです。
北川 その通りです。人間性を高めることは、「あなたから商品を買いたい」と言ってもらえることにつながります。そう言ってもらえるメンバーが増えることが、私にとっての喜びです。
小池 いろいろとお話を伺ってきましたが、最後にこれから社会人になる方に向けて、北川社長からエールやメッセージをお願いします。
北川 私たちはこれからも社会の変化を敏感に受け止め、常に前のめりにチャレンジしていきます。進化していくこの姿こそが私たちの特徴です。ぜひ一緒に、新しいステージに進みましょう。皆さんの若い力に期待しています。
では、小池さんからもメッセージをお願いします。
小池 承知しました!私は、正直なことを言うと入社前は不安な気持ちがありました。でも当社の先輩方・上司の方々はみんな優しくて、温かく私を迎え入れてくださいました。今では「会社が楽しい!会社に行きたい!」とわくわくした気分で過ごすことができています。私も皆さんと一緒に働けることを楽しみにしています。